べっ甲のような光沢が魅力の琥珀(アンバー)。パワーストーンとして流通していますが、厳密には植物の樹液が地層に埋もれた化石です。天然石とは違った温かみと柔らかさがあり、仏教に置いて「七宝のひとつ」とされているものです。
かつては「虫入り琥珀」が有名でしたが、現在では目にする機会も少なくなりました。とても脆く、人の爪でも傷がつくほど繊細なパワーストーンです。
しかし、専門店ではそんな「アンバー」が簡単に手に入ります。そこで疑問が...市場に出回る数は少ないはずなのに、どうして簡単に手に入るのか?
今回は、そんな疑問にお答えしましょう。
目次
よく目にする琥珀の正体は「練り琥珀」
バラ玉で並んでいたり、アクセサリーとして販売してある琥珀は、ほとんどが「練り琥珀」です。よく、「それじゃ偽物じゃないか!」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、厳密には偽物ではありません。
練り琥珀とは、簡単に説明すれば「琥珀を使った加工品」です。粉末にした琥珀に、接着剤などを混ぜて成型した「半人工石」になります。
その練り琥珀を「天然の琥珀」として販売していれば偽物になりますが、「練り琥珀」として販売していれば本物と言うわけです。
半人工石に対する意見は様々ですが、天然の形で流通しないパワーストーンは他にもたくさんありますし、全く人の手が加わっていない石の方が珍しいかもしれません。
ガラス製のニセ琥珀に注意!
パワーストーンについては、完全な人工石を天然として販売する悪質なケースもあります。琥珀に関しては、「ガラス玉」を琥珀のように加工している商品もありますのでご注意ください。
見分け方として、まずは質感です。琥珀は樹液の化石なので、他のパワーストーンのような冷たさは感じません。むしろ温かみがあり、何より柔らかいので触ればすぐに分かります。しかし本物の琥珀に触れたことのない方には、質感で判断すると言う方法は難しいですよね。
そんな時は、重さに注目しましょう。琥珀はとても軽いものです。水に浮くほど比重が軽いので、持った時にビー玉のような重さを感じたら、偽物だと疑ってください。
ただ、「これは人工です」と説明された場合は、決して偽物を売りつけようとしているわけではないかもしれませんね。天然と人工、半人工の説明ができるお店ならば、信用しても良いでしょう。
本物と偽物の見分け方は?
もし手元に琥珀があって、「もしかして...」と不安になった方に、簡単な見分け方をご紹介します。
まずは飽和食塩水を準備します。(*飽和食塩水:水に溶ける限界まで塩を混ぜたもの)
この飽和食塩水の中に琥珀を入れるだけでOK。琥珀は比重の軽さが特徴ですので、もし沈めば偽物、浮かべば本物です。
ただ、最近は偽物でも巧妙に作られていて、稀に浮かぶ場合もあるそうです。はっきり知りたい時は、やはり宝石専門店などで鑑定してもらった方が良いでしょう。
もうひとつ、琥珀の特徴に「静電気が起きる」と言うものがあります。
お手元の琥珀を綿のハンカチでこすって、静電気が起きるかどうか確かめてみましょう。しかし、天然の琥珀はとても柔らかいので、力を込めすぎると傷が入る恐れがありますのでご注意ください。
まとめ
いかがでしたか?
数千年の時を経て生まれる琥珀は、希少価値も高く独特の美しさを持っています。手に入れることが難しい現在では、練り琥珀が通常の琥珀として認識されています。実際に琥珀の粉を使った加工品ですので、パワーストーンとして使うなら問題はないでしょう。
どんどん稀少性が高まる琥珀、天然のものに出会ったら、ぜひ手にとってその温もりを感じてください。一期一会を大切に、あなたらしい「ストーン・ライフ」を送ってくださいね。